COP24 ポーランド・カトヴィツェ パリ協定ルール作り合意

2018年12月2日~14日にポーランド・カトヴィツェにて開催されたCOP24でパリ協定を実施するために必要なルールを全会一致で採択し、閉幕となりました。

パリ協定に合意したものの、現状の各国の削減目標では地球の平均気温の上昇を2度未満に抑えることができず、3度上昇することが予測されていますが、一度定めた削減目標を変更することはどの国でも容易ではありません。
このため取り組み強化のアイデアを出し合うために、2018年を通じて国連をはじめとする様々な場所で「タラノア対話」が開催されてきました。
最終対話はCOP24の場で各国大臣クラスが集まり開催されました。

国連の会議では、進展の遅い政府間交渉を後押しするために自治体、都市、企業、投資家NGO等の非国家アクターがより活発な温暖化対策の実施を宣言する活動が2014年から活発になってきました。
「非国家アクター」と呼ばれる団体が同盟を結び、政府間交渉を後押ししたことは画期的なパリ協定の成立にも寄与する大きな力となりました。

日本では自治体や企業、団体などが集まり、パリ協定の指示・自主的な温暖化防止の取り組みの推進を宣言した「JCI(気候変動イニシアチブ)」が発足し、約300の産銅主体を集めてきました。

今回採択されたルールはパリ協定29条文のうち、重要な9つの条文の運用方針を定めたもので、温室効果ガスの削減目標や途上国への親近支援、そして各国の取り組みをどう評価するかなど多岐にわたります。

すべての国が5年ごとに国連に提出する温室効果ガスの削減目標は、ガスの種類や具体的な計画に加え、その国にとって適正かつ十分な高い目標と言えるか、その根拠なども詳しく示す必要があるとされました。
資金面でも対象となる途上国や支援の程度、目標などを可能な限りで2年に1度国連事務局に報告することが先進国に義務付けられると同時に、先進国、途上国いずれの取り組みも検証することが盛り込まれました。

これらの情報に基づいて、各国がそれぞれの国の状況を定期的に確認して5年ごとに目標を引き上げ、温暖化対策を段階的に強化する道筋が明確化されました。
一方で2031年以降の削減目標の期間を何年に統一するかについては、合意に至らず引き続き交渉が行われます。

COP24では途上国が能力に応じて対応できるような柔軟性をもたせつつ、先進国と発展途上国を区別せず、ひとつの枠組みとしたことで公平な形で削減目標がまとめられたと評価されています。

次回、COP25は2019年11月チリで開催となります。